ゆっくり、ゆっくり

 

御堂筋線は今日も賑わっていて

誰も僕の存在には気付かない

心細くなる瞬間もあるけど

何だか一人じゃない気がした

 

街は早々と季節を進め 僕は相変わらず

周りを見渡して立ち止まったまま

 

ゆっくりと歩いていく

明日には何かが変わってるだろう

そう願ってどれくらい経つのかな

いつまでも見える景色は変わらない

 

 

都会には星がないって聞いてた

見上げると周りが明るすぎて

朝方かと思わせる光で錯覚を起こす

 

前にはあったはずのタバコ屋はもう潰れていて

彷徨う僕の手を誰かが掴んだ

 

ゆっくりと歩いていく

今日も無難に終わって行くなぁ

そう思って見上げた夜空は

今の僕には到底似合わない

 

 

ゆっくりと歩いていく

街中に明かりが溢れている

そう思って見据えた先には

変わらない笑顔の君が居た

いつまでも見える景色は変わらない